【日本代表発表】立川&堀江体制で「ONE TEAM」に!強豪に挑む32人とコーチ陣の考えとは

スローガンは「ONE TEAM」(ひとつのチームに)。そしてサブキャッチは「FOR JAPAN, ALL ATTITUDE」(日本のため全員の姿勢が求められる)。そんな風に意訳したいところ。何もかもが新しく、未知数の領域もあるぶん大いに期待感を抱かせてくれる、そんな日本代表ではないでしょうか。

 

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筆で勢いよく書いたような和風の英字。どんな有名なデザイナーが手掛けたのか…と思いきや、実は日本ラグビー協会のスタッフの力作なのだとか。

 

11月のテストマッチ4試合を戦うラグビー日本代表は、ジェイミー・ジョセフ新ヘッドコーチ(以下HC)による選考の結果、下記の32選手に絞られました。その発表にもわくわくしましたが、驚いたのは2人のキャプテンの誕生(朝には先に報道されていましたが)。日本代表では初めて「共同キャプテン制」を敷き、その大役を任されたのがHO堀江翔太選手、CTB立川理道選手でした。

 

メンバー発表記者会見で、ジョセフHCは共同キャプテン制について、

「2名の共同キャプテンは(アタックコーチの)トニー・ブラウンと私で過去にも成功した方法です。選手たちとのアライメント、同じ目的を持って同じ方向を向いて事にあたるうえで、非常に効果的な方法だと考えています。初選出の選手が17名いる若いチームを引っ張っていくにあたり、1名のキャプテンにすべての責任を持ってもらうには重いと考え、共同キャプテン制を敷くことにしました」

とその理由を説明。加えて、

「若い選手も経験者もいるこのユニークなチームがひとつにまとまり成功するには、短期間にまとまることが必要

と補足しました。2人のキャプテンを置くことでチームとしてまとまるスピードを加速させる狙いがあるわけです。

「大事なのはリーダーを育てていくこと。日本のラグビーがもっともっと前進していくために、サンウルブズと日本代表が連携して、この共同キャプテン2名とともに前進していきたいです」

たしかに堀江選手は昨季のサンウルブズでキャプテン、立川選手も堀江選手の欠場時やリザーブ時はゲームキャプテンを務めていました。そこが評価のポイントになったと考えられます。来季彼らがサンウルブズでプレーするかどうかはまだわかりませんが、代表もサンウルブズも継続的に共同キャプテンとしてチームをまとめてほしい、そんな期待の表れでもあるようです。

 

同席した立川新キャプテンもこう答えます。

「2人で(キャプテンを)やるということで、お互いサポートすることが大事だと思います。リーダー陣がぶれずにまとまり、一人で責任を負わずに分担しながらやることです。堀江さんとはサンウルブズでも一緒にやってきたので」

と、昨季歴史的な1年目のシーズンを送ったサンウルブズでの経験を強調しました。たしかにそう聞くと唐突な人事という感じではなく、その経験が活かせる納得の人員配置と言えるかもしれません。FWとBK、しかもそれぞれ要のポジションに一人ずつ、というバランスも「なるほど」と感じさせる人選です。

 

ただ、共同キャプテン制を今後も長く続けていくか、という問いに対しジョセフHCは

「続けるかどうかは正直考えていません。ただ、もちろんいい環境を作っていく必要があります。それを作って同じ目的、同じ方向を見る必要があるでしょう」

と、抽象的な説明を織り交ぜながら、2019年まで共同キャプテンを継続するかどうかはわからないとしました。チームを早くまとめるための共同キャプテンですから、ある程度チームがまとまってきたらキャプテンを1人にする、そんな可能性もあるのかもしれません。

 

なお、アタックコーチのトニー・ブラウンコーチも、アタックとスローガンの関係性やキーワードを説明しました。

「アタックというのはチームとしてどう機能するかということ。ですからアタックにおいてもONE TEAMになる必要があります。キーワードはスピード、スキル、スペースの3つです」

多くは語りませんでしたが、アタックにおいても目指すはやはり「ONE TEAM」。3つのキーワードが三位一体となった攻撃を早い時期から見せてほしいものです。

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ハイランダーズでもジョセフHCの右腕だったトニー・ブラウン アタックコーチ。あの田中史朗選手も元チームメイトの彼から多くを学び成長しました。

 

このユニーク体制が機能し、真の意味で「ONE TEAM」になった時、日本代表は世界に例のないとんでもないチームになる。そんな予感がしています。

 

【ラグビー日本代表 アルゼンチン戦&欧州遠征メンバー】◎は共同キャプテン

■FW(18選手)

PR1/三上正貴(東芝)33キャップ ※RWC2015代表

PR1/山本幸輝(ヤマハ発動機)0キャップ

PR1/仲谷聖史(ヤマハ発動機)0キャップ

HO/木津武士(神戸製鋼)43キャップ ※RWC2015代表

HO/日野剛志(ヤマハ発動機)0キャップ

◎HO/堀江翔太(パナソニック)44キャップ ※RWC2011・2015代表

PR3/伊藤平一郎(ヤマハ発動機)0キャップ

PR3/畠山健介(サントリー)75キャップ ※RWC2011・2015代表

PR3/山路泰生(キヤノン)0キャップ

LO/アニセ サムエラ(キヤノン)0キャップ

LO/梶川喬介(東芝)0キャップ

LO/谷田部洸太郎(パナソニック)6キャップ

LO・FL/ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)0キャップ

FL/マルジーン・イラウア(東芝)0キャップ

FL/三村勇飛丸(ヤマハ発動機)0キャップ

FL/布巻峻介(パナソニック)0キャップ

FL・NO8/松橋周平(リコー)0キャップ

NO8/アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコム)9キャップ ※RWC2015代表

■BK(14選手)

SH/小川高廣(東芝)0キャップ

SH/田中史朗(パナソニック)54キャップ ※RWC2011・2015代表

SH/矢富勇毅(ヤマハ発動機)16キャップ ※RWC2007代表

SO/小倉順平(NTTコム)0キャップ

SO/田村優(NEC)38キャップ ※RWC2015代表メンバー

SO・CTB/ティモシー・ラファエレ(コカ・コーラ)0キャップ

CTB/アマナキ・ロトアヘア(リコー)0キャップ

◎CTB/立川理道(クボタ)46キャップ ※RWC2015代表メンバー

WTB/福岡堅樹(パナソニック)17キャップ ※RWC2015&リオ五輪男子7人制代表

WTB/カーン・ヘスケス(宗像サニックス)14キャップ ※RWC2015代表メンバー

WTB/レメキ ロマノ ラヴァ(ホンダ)0キャップ  ※リオ五輪男子7人制代表

WTB/山田章仁(パナソニック)15キャップ ※RWC2015代表メンバー

WTB・FB/松島幸太朗(サントリー)18キャップ ※RWC2015代表メンバー

FB/笹倉康誉(パナソニック)3キャップ

 

<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>

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