7月22日(土)のサモア戦ではワールドカップイヤーの今年初のテストマッチ勝利を飾ることができなかった日本代表。29日(土)の「リポビタンD チャレンジカップ2023 パシフィックネーションズシリーズ」第2戦は大阪・東大阪市花園ラグビー場へ舞台を移しでの、トンガ代表との対戦となった。
前半、先手を取ったのは日本代表だった。20分、敵陣でのマイボールスクラムを起点に攻めると、WTBセミシ・マシレワからのロングパスを左大外で受けたWTBジョネ・ナイカブラがインゴールまで走り切り、トライ。SO李承信のゴールは決まらなかったが、日本代表が5-0と先制に成功した。
23分にはこの試合が節目の代表50キャップ目となったトンガSHソナタネ・タクルア主将にトライを許し5-5とされたものの、日本代表は32分にSO李がPGを決めて8-5と勝ち越す。さらに前半終了間際の40分、WTBナイカブラの前方へのキックに反応したLOアマト・ファカタヴァが弾むボールをインゴールで押さえてトライ。13-5とリードを8点に広げたところでハーフタイムを迎える。
後半も得点を重ねたい日本代表だったが、2分、7分とトンガにPGを許し13-11とわずか2点差に迫られる。すると13分、敵陣でのマイボールラインアウトを起点にアタックを仕掛けた日本代表は、右大外まで素早くパスを回してWTBマシレワがトライ。スコアを18-11とする。
17分には相手にトライを決められ18-16と、再び2点差に詰め寄られた日本代表だが、27分には途中出場のSO松田力也がPGを決めて21-16。39分にはインターセプトから独走した相手を途中出場のFB松島幸太朗がタックルで仕留めると、途中出場のHO堀江翔太がジャッカルを決めて窮地を救う。日本代表が5点差を守り切り勝利を収めた。
日本代表のジェイミー・ジョセフHCは試合後の記者会見で、
「今日の試合はスタートがよかったと思います。特にディフェンスは強固なものになったと感じていますし、フィジカルの強いトンガの選手をしっかりと止めたことに誇りを持っています。ディフェンスで体の小さい選手が大きな選手を止めるのは難しいタスクですが、それを継続してできた点はよかったです。
ただ、その中でも雑なミスがあり、それによりチャンスを逃してしまったケースもありました。もちろんボールが滑るなどのコンディションも影響したと思いますが、スキルの面は非常によかった部分もあったと感じています。後半はよくないスタートをしてしまいましたが、最終的に勝てたことは誇りに思いますし、マツ(FB松島)が最後に立ち上がってタックルをしたりLOファカタヴァが最後まで動き続けたことは今後につながると思います」
と語り、課題を指摘しながらも今年テストマッチ初勝利で手応えをつかんだことを評価した。
日本代表は8月5日(土)に東京・秩父宮ラグビー場にフィジー代表を迎え、9月開幕のワールドカップ前の国内ラストマッチに臨む。
取材・撮影・文/齋藤龍太郎(楕円銀河)