6月18日、日本代表は2022年の初戦を迎えた。6月11日には「エマージング ブロッサムズ」として同じ秩父宮ラグビー場のピッチに立ったNDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)の選手たちが今度は赤白の代表ジャージーを身にまとい、正真正銘のテストマッチに臨んだ。キャプテンはエマージング ブロッサムズに続きSO田村優が務め、チームとアタックの先導役を担った。
その相手は、乗り継ぎを含め44時間かけて来日したというウルグアイ代表。世界ランキングは19位と、10位の日本代表との実績の差は大きいものの、選手の大半は南米のプロラグビーリーグ「スーペルリーガ・アメリカーナ」を制したペニャロールでともにプレーしてきた。チームとして一体感がある「ロス・テロス」と、始動から2週間のNDSで組まれた「ブレイブ・ブロッサムズ」。7年ぶりとなる注目の対戦となった。
前半10分、日本代表は敵陣5mラインでのラインアウトを起点に仕掛けると、右大外でパスを受けた初キャップのWTB根塚洸雅が、相手のタックラーを引きずりながら代表初トライを決める。5-0と日本代表が先制し、18分にはSO田村優のPGで8-0とリードを広げる。
35分にはウルグアイSOフェリペ・エチェベリーにPGを決められ8-3と再び5点差にされたものの、前半終了間際の40分には日本代表が再び敵陣でマイボールラインアウトのチャンスを得ると、パスを受けたNO8テビタ・タタフが相手ディフェンスを突破しながら30m近くを走り切ってトライ。SO田村優のゴールも成功し、13-3と10点リードで試合を折り返す。
後半、引き続きトライを畳み掛けたい日本代表は、開始早々の4分にFL山本浩輝が抜け出すと、そのラストパスをもらったHO堀越康介がトライ。22-3とさらにリードを広げる。
後半18分にはウルグアイ代表史上最多98キャップ目のLOディエゴ・マニョにトライを決められ22-8とされたものの、23分と32分には途中出場のHO日野剛志がいずれもラインアウトモールを起点にトライを決め、34-8と突き放す。36分にはウルグアイNO8マヌエル・アルダオにトライを許したものの、日本代表が34-15で勝利を収めた。
試合後、NDSを指揮してきた堀川隆延HC(ヘッドコーチ)は、「2週間取り組んできたディフェンスやアタック、自分たちのスタイルを見せることができた」と選手たちのパフォーマンスを称えると、チームを牽引したSO田村優キャプテンも「完璧ではないけどプランを遂行することができて、楽しかった。2週間とは思えない、まとまりがあった」とNDSで構成された日本代表の成長に満足げな表情を見せた。
また、この試合が記念すべき初キャップとなった9選手もコメントした。
<先発出場4選手>
PR淺岡俊亮
「今日の試合は少し緊張しましたが、初キャップということで、スクラムでしっかり自分の持ち味を出せたと思います。良かったです」
FL飯野晃司
「まずはこのチームで日本代表として初キャップがとれたことを、とても嬉しく思います。プレー自体はたぶんあまり良くなかったところもあるかと思うのですが、ここを第一歩としてまた次につながっていくと思うので、しっかりやっていきたいと思います。まずは今日ファーストキャップが取れたということをしっかり胸に秘めて、今日を楽しみたいと思います」
WTB根塚洸雅
「最初は緊張したんですけど、ファンの皆さんが日本代表のジャージーを着て応援してくださっている姿を見て、今日はいい1日になったなと、最高のキャップをもらえました。ありがとうございました」
WTB竹山晃暉
「今日は多くの皆さんの応援ありがとうございました。個人として日本代表のジャージーを背負って戦うのは初めての経験でした。いい緊張感のなか、いい部分と悪い部分もあったと思いますけど、チームメイトに支えてもらいながら試合ができたことを誇りに思います。そして多くのこのジャージーを身にまとったファンの皆さんと一緒に秩父宮で戦えたことを嬉しく思いますし、勝利でファーストキャップを飾れたことは今後のいいスタートになると思っています。これをスタートラインとしてこれからもっともっとこの桜のジャージーが似合うように頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました」
<リザーブ→途中出場5選手>
PR海士広大
「凄い緊張したのですが、チームのみんなが気を遣ってくれて、自分の役割をまっとうすることに集中しろと言ってくれたので、無事に初キャップをとることができました。これから積み上げていきたいと思います。応援よろしくお願いします」
PR竹内柊平
「本日は試合を応援いただきありがとうございます。今日は初キャップということで、このメンバーとこういった舞台で試合をできることが、すごく誇らしく、自分が出たすごく嬉しかったです。またキャップ取れるように頑張ります」
LO秋山大地
「今日は憧れていた桜のジャージーを着て試合ができたことが、すごく幸せでした。内容としてはまだまだ課題はありますが、ここをスターとしてしっかり頑張っていきたいと思います」
FLシオネ・ラベマイ
「ファーストキャップを飾ることができて、めっちゃ嬉しいです。ファンの皆さん、応援ありがとうございました」
WTBメイン平
「今日はたくさんの応援ありがとうございました。素晴らしいファンの皆さんの前でファーストキャップが取れて最高です。ここからのスタートです。これからも応援お願いします」
取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)