ウェールズと激闘の末にわずか3点差で敗れた日本代表。しかし彼ら全員の活躍は日本のファンだけでなく、目の肥えたウェールズのラグビー好きたちにも十二分に認められた、そんな試合でした。時系列に沿って写真で振り返ります。
ナショナルアンセム、君が代を歌った直後。左から3番目のPR畠山健介選手は号泣しながら熱唱し、涙をぬぐっていました。
キャパシティ74500人のプリンシパリティスタジアムに、73969人の大観衆が詰め掛けました。もちろん大半はウェールズファン。日本がトライを決めると静かになりました。
前半37分のWTB山田章仁選手のトライ、その直前の一枚ですが、山田選手の視線の先にあったのは大型モニター。自分のかっこいい姿を見ていた…のではなく、「振り返るとスピードが落ちると思ったので」(山田選手談)追ってくる選手との距離を見ていたのだそうです。冷静!
後半14分、WTB福岡堅樹選手のトライ。この直前に点差がこの試合最大の11点に広がっていただけに大きいトライでした。福岡選手はジョージア戦に続く2試合連続トライ。
WTB福岡選手のトライをみんなで称えた輪の中に、抱き合うハーフ団(右・SH田中史朗選手/左・SO田村優選手)の姿が。すっかりジェイミー・ジャパンに欠かせないコンビとなりました。
後半33分、アマナキ・ロトアヘア選手のトライ! この5点と田村選手のコンバージョンの2点で、日本代表は30-30の同点に追いつきました。「アマナキ」「花園大学」コンビであるNO8マフィ選手のアシストでした。
そしてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは、日本が誇るラインブレーカーのNO8アマナキ・レレイ・マフィ選手でした。ウェールズが勝った試合だけに決勝DGを決めたサム・デービス選手かと思いきや、常に日本代表の起点となっていた彼が受賞。日本とトンガの誇りです。
<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>