会見での一コマ。ヤマハ発動機HO日野剛志選手が参った表情? 詳しくは最後に説明します(笑)。
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終日曇天模様でしたが、なんとか強い雨に降られることなく無事トップリーグ第5節2日目の2試合を終えた、秩父宮ラグビー場からお伝えします。
今日の注目はその第2試合、開幕から全勝し続けているヤマハ発動機ジュビロとリコーブラックラムズとの対戦でした。ヤマハが今節も首位を守れるのか、また首位らしいラグビーを再び見せてくれるのか。パナソニックや東芝を圧倒し早くも優勝候補の筆頭にその名が挙げられているヤマハのラグビーに5934人の視線が注がれました。
試合は前半からヤマハがボールゲームでもフィジカルでもリコーを圧倒。5分にSO大田尾竜彦選手からのキックパスをWTBハビリ ロッキー選手がキャッチし、相手ディフェンスを十分引き付けてからフォローしていたCTB宮澤正利選手にパスし、そのままトライ。12分にはモールを押し込んだところでSH矢富勇毅選手がブラインドサイドを突いてトライ。その後17分、31分、41分とトライを決めたヤマハが前半だけで5トライ、33-0と大きくリードしました。
(トライにアシストに活躍したヤマハ発動機SH矢富勇毅選手。)
しかし後半はリコーが反撃。開始早々5分にNO8松橋周平選手が今季4つ目となるトライを挙げて、その後ヤマハに1トライを返されるも34分にWTB渡邊昌紀選手がトライを決めて、ヤマハのボーナスポイント(3トライ差以上で勝ち点1上乗せ)を阻む勢いの好アタックを見せましたが、ホーンが鳴った後の41分、ヤマハ不動のFBとなっているゲラード・ファンデンヒーファー選手がだめ押しのトライ。最終スコア47-14(7トライ–2トライ)でヤマハが勝ち点5を獲得しました。
試合後の記者会見、ヤマハの清宮克幸監督は試合全体の感想を求められ「リコーは勢いに乗ると強いチームなので、先制点を取って終始リードできていい展開になった。ボーナスポイントも取れた」と満足そうな表情で語りました。
続いてマイクを渡された、この日ゲームキャプテンを務めたHO日野選手、「リコーは勢いに乗ると強いチームなので…」と語り始め、
「それ、さっきもう言ったから」
と清宮監督から厳しいツッコミ。
「関西人なのでボケたらツッコミを入れます」(清宮監督)。日野選手はボケたつもりはなかったと思うのですが(笑)、たじたじの様子でした。しかしこうしたやりとりからも勝利の喜びや安堵を感じることができました。
もちろん喜ぶだけでなく、「(5連勝したが)反省点は多い」と清宮監督。勝利に貢献したSH矢富選手も「締めるところは締めないといけない」とトライを許した時間帯の緩みを反省していました。
なお、第1試合は近鉄がクボタに29-20で勝利。近鉄が秩父宮ラグビー場で勝ったのは13年ぶり、つまりトップリーグ設立元年以来ということです。チームはもちろん大阪からの熱心なファンのみなさんの応援が実った形になりました。
<取材・文・写真/齋藤龍太郎(楕円銀河)>