日本代表、イタリアに14-42で敗れ新体制テストマッチ初勝利はPNCに持ち越し

7月21日(日)、日本代表はリポビタンDチャレンジカップ2024の5戦目、テストマッチとしては3戦目となるイタリア代表戦に臨んだ。エディー・ジョーンズHC新体制下ではJAPAN XVがマオリ・オールブラックスから勝利を収めた一方で、テストマッチではイングランド、ジョージアに連敗し、まだ白星がない。17411人のファンが詰めかけた北海道・札幌ドームで、6月からの活動を一旦締めくくる一戦での勝利を目指した。

7月13日(土)のジョージア戦でのプレーによりFL下川甲嗣、SH齋藤直人が出場停止処分を受けた影響が残るなか、FLリーチ マイケル主将、HO原田衛、LOワーナー・ディアンズ、WTB長田智希、FB矢崎由高といった今夏のキーマンをはじめ、SO松田力也、CTBディラン・ライリー、WTBジョネ・ナイカブラといった実績十分の選手が先発した。

ワイルドナイツで長年ハーフ団を組んできた北海道出身のSH小山大輝(右)とSO松田力也(撮影/齋藤龍太郎)

前半、序盤から「超速ラグビー」でペースをつかみたい日本代表だったが、3分にイタリアSHマルティン・パジェレロにPGを決められると(0-3)、8分には世界的な俊足BKとして知られるFBアンジェ・カプオッツォがトライ(0-8)。SOパオロ・ガルビージのゴール成功で0-10とされる。13分にはSHマルティン・パジェレロ、35分にはLOアンドレア・ザンボニンがトライを決めて、0-24とさらにリードを許す。31分にはイタリアFLロス・ヴィンセントがシンビンとなっていたが、数的不利を感じさせないイタリアのアタックに日本代表は苦しめられた。

まずは得点したい日本代表は前半ラストプレーとなった42分、自陣深い位置からFB矢崎由高、CTBサミソニ・トゥアとつなぎ、そこからパスを受けたCTBディラン・ライリーが約70mを走り切ってトライ。SO松田力也のゴールも成功し、7-24として試合を折り返す。

後半も追加点を重ねていきたい日本代表は2分、CTBディラン・ライリーがまたも快走する。自陣22mライン付近で相手のパスをインターセプトし、再び敵陣インゴールまで独走。14-24と10点差に詰め寄り、場内は大歓声に包まれる。

前半最後と後半最初に連続トライを決めたCTBディラン・ライリー(撮影/齋藤龍太郎)

しかし7分、19分とイタリアSHマルティン・パジェレロがPGを決めて14-30と再び点差を広げられると、32分にはSOパオロの弟のSHアレッサンドロ・ガルビージが、さらに41分のFLロス・ヴィンセントが連続トライを決められて、日本代表は14-42で敗れた。イタリアは後半イエローカードを2枚出されたものの、最後までモメンタムを保ち続けた。

“第二の故郷”札幌でキャプテンとして奮闘したFLリーチ マイケル(撮影/齋藤龍太郎)

試合後、日本代表エディー・ジョーンズHCは記者会見でこのようにコメントした。

「イタリアはずっと試合をやり続け、一貫性がありました。我々もうまくいった局面はいくつかあったのですが、ハンドリングエラーやラインアウトでのミスがあり、フィニッシュまでいたりませんでした。残念ながらこれが今の我々の現状です。多くの課題が積み重なっていますが、毎試合一歩ずつ前進できており、一貫性を積み重ねることが重要だと思っています。まずは選手たちがテストマッチでプレーすることに慣れること、様々なテストマッチで起こり得るシチュエーションに慣れていくことが最重要課題だと考えています」

またしてもテストマッチ初勝利はならなかった日本代表だが、8月開幕のパシフィックネーションズカップで「超速ラグビー」を見せ、ファンに勝利を届ける。

取材・文・写真撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)

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