さる10月8日(土)、『アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022』JAPAN XV対オーストラリアA代表の第2戦がベスト電器スタジアム(福岡)で行われた。第1戦は一時リードしながら22-34で敗れたJAPAN XVにとって、第2戦は星を五分に戻すチャンス。勝ち越すためには落とせない一戦となり、会場に訪れた8163人のファンも勝利への期待を胸に戦況を見守った。
キックオフ早々の前半1分、いきなり敵陣でチャンスを作ったJAPAN XVはラックから出たボールがFB山中亮平、CTB中村亮土とつながり、大外で構えていたWTB松島幸太朗にパスが渡る。松島が一気にインゴールまで駆け抜け、JAPAN XV先制トライを決める。SO李承信のゴールは不成功に終わったが(5-0)、10分にはPGを決めて8-0とリードを広げる。
しかしオーストラリアAもJAPAN XVのペナルティをきっかけに反撃し、前半12分にはSHライアン・ロネガン主将がPGを決めて8-3。31分にはFBジョック・キャンベルのトライとSHロネガンのゴールで8-10と逆転する。34分のSHロネガンのPGは不成功に終わったものの、JAPAN XVは2点のビハインドを抱えて試合を折り返すこととなった。
後半もオーストラリアAの攻勢が続く。4分、三重ホンダヒートへの加入が発表されたFBトム・バンクスがワラビーズで鳴らしたランを披露しトライ。8-15とリードを広げる。まずは得点したいJAPAN XVは13分、SO李のPG成功で11-15とし、4点差に迫る。
そして22分、JAPAN XVは敵陣でのペナルティからクイックタップでアタックを仕掛けたNO8リーチマイケルがラックから縦に突いてトライ。第1戦に続き好調さをうかがわせるリーチの高いパフォーマンスで18-15と逆転し、さらに27分にはSO李がPGを決める。21-15とリードを6点に広げ、残すは10数分となった。
そのまま勝ち切りたいJAPAN XVだったが、最終盤にもペナルティを連発し、オーストラリアAに攻め込まれる。ノーサイド寸前の後半40分、自陣5mラインでのオーストラリアAのラインアウトモールを止められず、HOリッチー・アシアタにトライを許す。21-20と1点差に詰められたところでホーンが鳴り、ゴールが外れればJAPAN XVの勝利となるところだったが、SOテイン・エドメッドがしっかり決めて21-22となりフルタイム。勝利目前だったJAPAN XVは惜しくも1点差で敗れた。
試合後、JAPAN XVのジェイミー・ジョセフHCは課題を口にした。
「ケガ人もいますので、チームとしてもしっかりと(現状に)対応していく必要があります。序盤は自分たちが準備してきたことを出せた部分もありましたが、クリーンアウトやボールキャリーの精度を上げていくなど修正する必要があります。トライを獲れたこと自体はよかったのですが、やはりペナルティを与えてしまうことは要修正です」
HO坂手淳史キャプテンの表情には落胆の色も見られたが、前を向いてこのように話した。
「結果についてはすごく残念に思います。先週(第1戦)から修正できた部分もありましたし、先週からのチームの皆の努力やグラランドでのパフォーマンスはいい部分がたくさんありました。ただ、最後のゲームを決める部分、簡単に得点された部分、ペナルティに関してはしっかりと修正していきます。みんながやっていることの方向性は間違っていないと思いますし、成長できていますので、さらに成長していきたいと思っています」
7月のフランス戦2連戦以来の先発となるSO李承信も課題を感じていた。
「いいゲーム運びができて、最後は勝てそうなところまでいきましたが、それでも勝ち切れなかったことはすごく残念です。自分としては高いパフォーマンスを出し続けられるかどうかが課題だとあらためて感じています」
JAPAN XV対オーストラリアA代表の第3戦は10月14日(金)にヨドコウ桜スタジアム(大阪)で行われる。JAPAN XVの勝ち越しはなくなったが、最終戦で勝利という結果を手にして自信を深めてほしいところだ。
取材・文・写真撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)