3連敗では終われない。必勝の第3戦となった。
10月14日(金)、『アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022』JAPAN XV対オーストラリアA代表の最終戦がヨドコウ桜スタジアム(大阪)で行われた。第1戦は22-34で、第2戦は21-22でいずれも逆転負けを喫したJAPAN XVにとって、ワラビーズ候補が多数在籍するオーストラリアAから勝利を挙げる最後のチャンスとなった。
平日18時30分キックオフながら、会場には12,880人ものファンが集結。勝利への期待が最高潮に達する中、キックオフを迎えた。
JAPAN XVは第2戦までの鬱憤を晴らすようにアタックを畳みかける。前半3分、FB山中亮平が足にかけたボールにインゴールで自ら追いつき、先制トライ。SO李承信のゴールも決まり7-0とする。
前半9分にはオーストラリアAのトライとゴールで同点に追いつかれたものの(7-7)、18分にはNO8テビタ・タタフが自慢の突破力で相手ディフェンスを押しのけてチーム2トライ目を決める(14-7)。直後の22分にも、敵陣でのラインアウトからのサインプレーでパスを受けたNO8タタフが連続トライ。21-7とリードを広げる。さらに前半27分、CTBディラン・ライリーが見事なランでトライを獲り切り、28-7とリードを21点とする。
前半30分、36分にはオーストラリアAに連続トライを決められ、28-19と9点差に迫られたものの、後半39分にはWTB松島幸太朗が3試合連続となるトライを決める。35-19とリードを16点差としたところで前半終了となる。
JAPAN XVは後半キックオフ早々の2分にもLOジャック・コーネルセンがトライ。42-19とさらにリードを広げる。8分には1トライを返され42-24とされるが、13分にはSO李のPG成功で45-24。セーフティーリードを保ったに思えたが、ここからオーストラリアAが3連続トライを決めて45-43とわずか2点差に迫られる。
第1戦、第2戦と逆転負けを喫してきたJAPAN XVだが、32分に途中出場のNO8ファウルア・マキシがトライ。同じく途中出場のSO山沢拓也がゴールを決めて、52-43とリードを広げる。最後にオーストラリアAにトライを決められたものの、7トライなどで大量得点を挙げたJAPAN XVが52-48で勝利。オーストラリアAから初白星を挙げた。
試合後、JAPAN XVのジェイミー・ジョセフHCは選手を称えた。
「基本的にはすごくいいラグビーができました。選手たちの頑張りを誇りに思います。ここ2週間(第1戦、第2戦)はなかなか勝てなかったこともあり、本当にタフな時間を過ごしてきました。いい試合運びをしておきながらミスを起こしてしまいましたが、学ぶこともたくさんありました。しかしながら毎週毎週、チームとして学んだことを活かして修正しようと取り組んできました。第1戦は勝っていたものの途中で集中力を切らしてしまいました。先週(第2戦)もメンタルをしっかりと維持することができず、最終的に負けてしまいました。今日の試合も同じような状況になりました。自分たちが点を取って勝っている状態からオーストラリアAのクオリティの高いラグビーに押されてしまいましたが、選手全員のアタックのエナジーが非常によかったと思っています。もちろん改善すべきところはまだまだありますが、これから2週間後のオールブラックス戦に向けて(の準備としては)今日の試合はパス(通過、合格)したのではないかと思っています」
また、HO坂手淳史キャプテンも手応えを口にした。
「結果には満足していませんが、第1戦、第2戦を経て第3戦に向けてチームとしてやるべきことを共通意識として明確にして臨むことができました。今回のゲームも相手に流れがいく場合が後半から増え、そのまま崩れかねないところでみんながやるべきことをやってリードできたことは本当に大きな収穫でした。ここからテストマッチが続きますが、厳しい中でもつながり続けてやるべきことをやり、戦い続けていきたいと思います」
勝利は自信となり、課題は成長の足掛かりとなる。ステップアップを実感した日本代表は、レストを挟んで10月29日(土)のニュージーランド戦に向けて入念に準備を進める。
取材・文・写真撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)