スーパーラグビー2シーズン目を迎えるサンウルブズは24日(金)午前、今季初戦となる第1節ハリケーンズ戦(2月25日)の前日練習を秩父宮ラグビー場で行いました。
準備期間の短さやケガ人の続出など懸念材料の多い2シーズン目のスタートとなりましたが、ゲームキャプテンを務めるFLエドワード・カーク選手は引き締まった表情でこう答えました。
「(チームとして)すごくいい雰囲気です。秩父宮ラグビー場に帰ってこられたことを光栄に思います。(今日の練習にあたって)私からは何も言うことはありませんでした。プロフェッショナルとしてしっかりやっていく、ということだけです。ストレスを感じる必要は全くません。ハリケーンズという世界トップクラスのチームと戦うことになるが、失うものはないのでストレスを感じることなく思いきりやりきるのみです」
プロフェッショナル。失うものはない。ストレスを感じずにやりきるのみ。そんな力強い言葉に続いてハリケーンズの印象や注意点については、
「すべての面で気をつけなければいけないと思っていますが、相手は本当に素晴らしいチームで、オールブラックスの選手もたくさんいます。特に相手の(得意とする)カウンターアタックには注意したい。新しい選手もたくさん出てきますし、1番から15番まで、そしてベンチにいる全員に気をつけたい。ここでプレーできるのはハッピーなこと、光栄なことなんだという話もしています」
と語っています。そして個人的な思いも吐露しました。
「日本に戻ってこられたことを本当に光栄に思っています。リーダーとしてこの立場を担うこともありがたく思っています。日本は私にとってホームのような場所で、ここで楽しい試合をしていきたい、このチームのためならなんでもしていきたいという思いです。そして今週、仲のいい友人を交通事故で亡くしました。その友人のためを思い、追悼の思いも込めて力強くプレーしたいと思っています」
熱くなりすぎるのは禁物ですが、やはりラグビーに「熱」は必要です。カーク選手はそんな個人的な思いを込めてプレーし、背中でチームを引っ張ります。
一方、フィロ・ティアティアHCは練習後、チーム状態の良さと手ごたえを口にしました。
「短いプレシーズン、とにかく向上するのみという思いでやってきました。そして選手、リーダー、コーチの間でハリケーンズに挑むためのゲームプランを徹底してやってきたつもりです。どうやったらハリケーンズにプレッシャーをかけられるかをホワイトボードに描きながら話し合ってきました」
もちろん具体的な言及は避けましたが、ハリケーンズに戦術面で対策を講じてきたことを明かしました。続けて、
「ハリケーンズは本当にエキサイティングなチームだと思っています。私は何十年も前にハリケーンズでプレーしていましたが、その時から素晴らしいチームだということを重々わかっていました。こちらが予測もしないようなことを仕掛けてくるチームです。また、カウンターアタックで有名なチームなので、そこを対処していきたいと思っています」
とカウンターに対する警戒心を強めていました。
午後になると、サンウルブズと入れ替わるように、今度はハリケーンズが秩父宮に到着しました。キャプテンのHOデイン・コールズ(リザーブにつきゲームキャプテンは務めず)、この試合のゲームキャプテンであるSHのTJ・ペレナラ、昨年の世界最優秀選手であるSOボーデン・バリット、2015年ワールドカップのトライ王であるWTBジュリアン・サヴェアといった現役のオールブラックスのメンバーが続々とピッチに姿を現しました。
練習は当初、冒頭の15分間のみ公開予定でしたが、チーム側の判断で最後まで見学OKに(撮影はNG)。軽めの全体練習が中心ではあったものの、スピードとスキルの高さを存分に感じされる質の高い練習に、昨季のチャンピオンチームの風格を漂わせていました。
練習後の選手のコメントです。まずはリザーブのSOボーデン・バリット選手。
「素晴らしいチャンスと捉えています。日本に来られてうれい。
日本のブランドとは。
「スーパーラグビーはどこのチームも違うと思いますし、それぞれが違ったトレンド、違いを出してきます。それを認識して自分たちのアタッキング、ディフェンスシステムを礎にして、準備していきたい。準備は毎週毎週同じだと思います。競争はどこのカンファレンスも激しいですが、その中でやっていくことがチャレンジとなるでしょう」
日本のラグビー独特のトレンド、違いに注目しているようです。続いてはゲームキャプテンのSH、TJ・ペレナラ選手のコメントです。
「先週のオールスターズ戦(の映像)を見ました。エネルギーと勢いが非常にたくさんある。
18日(土)に行われたサンウルブズvsトップリーグオールスターズ戦の映像をもとに、ハリケーンズは準備をしてきたようです。続けて、昨シーズントップリーグの東芝でプレーしたWTBコーリー・ジェーン選手(14番で先発)から助言はあったか、との質問には、
「彼(コーリー・ジェーン)が今回、私たちを引っ張ってくれているような感じです。彼の(日本での)6ヶ
と、その経験を存分に活かしていることを明言。昨季1位対18位の対戦であっても油断や気の緩みはまったく感じられない警戒と対策ぶりでした。
果たしてどのような開幕戦になるのか、楽しみです。
<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>