2月4日に開幕する欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」。昨年に続きWOWOWが全15試合を生中継します。
昨日の吉木りささんの記事でもお伝えしたとおり、そんなシックス・ネーションズの魅力を開幕前にたっぷり知ることができる特番、『ラグビー欧州最強国決定戦「シックス・ネーションズ」まるわかりスペシャル!!』が1月22日(日)よる7時よりWOWOWプライムで無料放送されます(リピート放送あり)。
収録には吉木りささんだけでなく、日本代表のPR畠山健介選手(サントリー)、SH田中史朗選手(パナソニック/サンウルブズ)が参加。シックス・ネーションズを見始めたころの思い出はもちろん、昨年対戦したスコットランドとウェールズ、6月に対戦するアイルランド、そして2015年まで薫陶を受けてきたエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が現在率いている前回大会王者イングランドなどといった強豪国のスタイルについて、現役のトップ選手ならではの視点でたっぷり語っています。優勝予想は畠山選手がウェールズ、田中選手がアイルランド。ちなみに吉木りささんはイングランド、進行の大西将太郎さんはフランスを挙げました。異なる国を予想したそれぞれの真意は番組の中で明らかになります。
それでは、収録後の畠山選手と田中選手のコメントをお伝えします。シックス・ネーションズの魅力に加えて、あす21日(土)からの日本選手権に向けての意気込みも語っていますので必読です!
──収録を終えた感想とシックス・ネーションズの印象をお願いします。
畠山 僕らはまだ現役でプレーしています。(2019年の)ラグビーワールドカップの組み合わせにもヨーロッパの国が必ず(同じプールに)入ってきますし、(シックス・ネーションズの)6カ国のうち1チームもしくは2チームが入ってくる可能性があるので、ファンとして楽しむだけではなく対戦相手として意識して見ていくように(思えた)、僕らにとってもいい導入になる収録だったと思います。
田中 ラグビーを観るということを、もっとファンの方々やラグビーを観たことがない方にも広められる、いい機会だと思います。それを僕たちからももっともっと発信していければと。そういう場をいただけたことをあらためて感謝しています。
──今大会はどのあたりが楽しみでしょうか?
畠山 (イングランド代表の)エディー(・ジョーンズHC)は必ずしもどの国でも同じ指導法ではなくて、その国や選手の特性を見てどういった指導が彼らの能力を伸ばすかというのを見極めるコーチングスキルがすごく長けている方だと思うので、おそらくイングランドでは日本とは違うやり方で強化しているのだと思います。もともとイングランドの選手は能力が高かったので、もう一度ワールドカップに向けて自信、プライドを取り戻させている段階なのかなと。そういう激しさを取り戻させようとしているところに僕は注目しています。
田中 ほとんど言われてしまったんですけど(笑)…一緒ですね。エディーの前までのイングランドは少し雑な感じがあったのですが、今は規律がしっかりしていてチームとして戦っているという印象があります。日本と一緒のようなスタイルですけど、僕たちよりも能力の高い選手がいるぶん世界でもトップでやっていけているのかなと思います。
──6月に日本代表と対戦するアイルランドをどう見ていますか?
田中 今のアイルランドの試合を見てひとりひとりがどう戦ったらいいかを考えれば、各々の考える能力も上がると思いますし、代表に選ばれた時に「こう攻める」というのをいち早くまとめて練習に取り込めるので、今からしっかり見ていきたいなと思います。
──代表入りしそうな選手は全員WOWOWを観ようと。
田中 そういうことです。(できれば)日本ラグビー協会として加入してもらえたら(笑)。来ていただいている記者の方もよろしくお願いします(笑)。
──シックス・ネーションズはいつごろからご覧になっていましたか?
畠山 僕は正直、(早稲田)大学に入ってからぐらいじゃないですかね。中学、高校、大学と(それぞれ自分と)近い世代の試合をよく観ていて、大学に入ったら日本代表や(世界の)テストマッチを観るようになりましたので、大学ぐらいからですね。(当時はラグビーの)歴史とかをよくわからずに観ていたので、どう観たらいいんだろうというのが正直なところでした。
──スーパーラグビーを観ていた人は多かったと思いますが、それとは違う魅力シックス・ネーションズの魅力とは。
畠山 スーパーラグビーと比べるとテンポがゆっくりで、展開も少ない印象がありました。でもちゃんと歴史を勉強してヨーロッパの事情を知っていくと「そういうことだったんだ」とか、スクラムも少しずつ勉強していくと面白さがわかってくるので、じっくりルールを知りたい、(展開が早い)スーパーラグビーよりもゆっくり見たい、という方にはしっくりくるんじゃないでしょうか。女性の方にもシックス・ネーションズの方がわかりやすいと思います。
田中 まだファイブ・ネーションズの時代だったと思いますが、最初にフランス対オーストラリアを観た時に「フランスのシャンパン・ラグビーはすごいな。世界のラグビーとは違うな」と思いました。そこから(欧州ラグビーも)観るようになりましたね。今はシャンパン・ラグビーから離れた感じになっていますが、ああいうラグビーをしてみたいなと小さい頃に思っていました。シックス・ネーションズも昔よりレベルが上がっています。たとえばウェールズも本当に面白いラグビーをしますし、僕らもこの間(昨年11月21日)ウェールズと対戦して3点差だったので(日本代表30−33ウェールズ代表)、ウェールズが世界で上に行ければ僕たちの自信にもなりますし、そういう試合をもっともっと見せていただきたいなと思います。
──今年の抱負やチャレンジしたいことは。
田中 僕の抱負は1試合1試合準備して勝っていくということですね。チャレンジしたいことは、今まで以上にラグビーを見てもらうために、普及であったり「ラグビーファミリー」などSNSでラグビーファンの方を増やしていきたいですし、世界(のラグビーファン)に喜んでもらえるような年にしたいなと思います。
畠山 日本選手権がありますので、勝って2冠を達成するのが大前提というか、一番大きな目標です。チャレンジについては、グラウンド内ではもちろん常にチャレンジですが、グラウンド外でもできると思います。今までSNSでいろいろ言わせてもらっていたのですが、言うだけではなく何か形にしてやっていきたいなと。僕だけじゃなくていろいろな人を巻き込んでラグビーというものを広げていけるように、何か形にできればいいなと思います。そこをチャレンジしていきたいですね。
──お二人は日本選手権の決勝で対戦する可能性があります。
田中 まずヤマハ(発動機)さん(との試合。1月21日の準決勝)ですね。リーグ戦(昨年8月26日のトップリーグ開幕戦。パナソニック21−24ヤマハ発動機)では負けているので勝ちたいですし、引退する選手もいますので、楽しい思い出とともに彼らを送り出したいと思っています。
畠山 準決勝は帝京大学さんです。今までの日本ラグビーではV7(7連覇)というのが偉業だったと思うのですが、それを大学生の中ではありますがV8に塗り替えて偉業を達成されました。大学、トップリーグ関係なく素晴らしいチームだと思いますので、しっかり戦えることを楽しみにしていますし、帝京大学さんがどんなラグビーをしてくるか僕らも警戒しています。そこでしっかり勝ってファイナルに進んで、(トップリーグ王者との)2冠を達成できるように、まずいい準備をして、準決勝で勝って、決勝ではできればフミさん(田中史朗選手所属のパナソニック)と戦いたいという思いは個人的にはあります。
収録の数日後には、日本代表が今年11月25日にフランス代表がと対戦することが発表されました。6月にはアイルランド代表と2試合を行いますし、こうした強豪がどのようなチームなのかを見極めるには最良の機会です。日本代表がここ4年で4度対戦したスコットランド代表、3度対戦したウェールズ代表、そして2年連続のグランドスラムを目指すイングランドがどれほど進化しているのかも見逃せません。
まずは1月22日(日)よる7時、シックス・ネーションズの見どころがわかる特番『ラグビー欧州最強国決定戦「シックス・ネーションズ」まるわかりスペシャル!!』をWOWOWプライムでぜひご覧ください!
<取材・文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)>
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★『ラグビー欧州最強国決定戦「シックス・ネーションズ」まるわかりスペシャル!!』
1/22(日)夜7:00[WOWOWプライム]
★「生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
ヨーロッパのラグビー強豪6カ国が参加して行なわれる大会の模様を全15試合生中継!
第1節:スコットランドvsアイルランド 2/4(土)夜11:10[WOWOWライブ]
第1節:イングランドvsフランス 2/4(土)深夜1:40[WOWOWライブ]
第1節:イタリアvsウェールズ 2/5(日)夜10:45[WOWOWライブ]
第2節:イタリアvsアイルランド 2/11(土・祝)夜11:10[WOWOWライブ]
第2節:ウェールズvsイングランド 2/11(土・祝)深夜1:40[WOWOWライブ]
第2節:フランスvsスコットランド 2/12(日)夜11:45[WOWOWライブ]
第3節:スコットランドvsウェールズ 2/25(土)夜11:10[WOWOWライブ]
第3節:アイルランドvsフランス 2/25(土)深夜1:40[WOWOWライブ]
第3節:イングランドvsイタリア 2/26(日)夜11:50[WOWOWライブ]